昼食ちうじき)” の例文
旧字:晝食
日をるまゝに何事も言はずなりし、不図ふと其のシヽデンのさい昼食ちうじきのち、庭をながむることありしに、雲の如き紫雲英に交りて小さき薄紫の花二ツ咲出でたり。
草あやめ (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
アロナ附近でベツクリンの絵の「死の島」はこれつたのだらうと想はれる湖上の島を眺めなが昼食ちうじきを取つて居ると、同じ卓へむかひ合せに着いた姉妹きやうだいの英国婦人の
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
急坂を下りて、旅亭のあとあり、側に泉湧く。ガリラヤよりエルサレムに行くユダヤ人の男女、および駱駝ひき、羊かひなど大勢憩ふ。余等も無花果いちじゆくの蔭を求めて、昼食ちうじきす。
昼食ちうじきの後、丑松は叔父と別れて、単独ひとりで弁護士の出張所を訪ねた。そこには蓮太郎が細君と一緒に、丑松の来るのを待受けて居たので。もつとも、一同で楽しい談話はなしをするのは三時間しか無かつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
しろにて昼食ちうじき。士民官軍を喜び迎ふ。
父の墓 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
ホテルで昼食ちうじきすませてからゴンドラを雇つてサンタ・マリヤを始め沢山たくさんなお寺廻りをした。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
此処に三人抱程の素晴しき無花果の大木三本あり。三頭の馬を其一本に繋ぎ、余等三人は他の一本の下に毛布を敷いて坐し、昼食ちうじき午眠ひるねしての前後四時間を此無花果樹下に費しぬ。
毛布けつとを地に敷き、少し早けれど携へたる牛乳、パン、ジヤム等にて昼食ちうじきし、午憩ひるやすみす。