文章博士もんじょうはかせ)” の例文
まあ、立派な学者になって、「文章博士もんじょうはかせ」の肩書でももらってくれれば、お父さんはそれだけでも大手を振って自慢が出来るからな。
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
あなたは、すでに、勧学院の文章博士もんじょうはかせとし、学識も世事の体験も、この範宴よりは遥かに積まれている先輩です。——私がおそるるのはその学問です。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
早く官を退いて保身の術を講ずべきことをふうした文章博士もんじょうはかせ三善清行の第八子で、母は弘仁天皇の孫女であった。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
博士たちは律の詩、源氏その他の人は絶句を作るのであった。おもしろい題を文章博士もんじょうはかせが選んだ。短夜のころであったから、夜がすっかり明けてから詩は講ぜられた。
源氏物語:21 乙女 (新字新仮名) / 紫式部(著)
君んとこの家は代々大学寮の重職にある文章博士もんじょうはかせだ。僕の云いたいことは分ってくれると思う。……君だってやがてはお父さんの後を継いで文章博士になる身だ。
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
「——では勧学院の文章博士もんじょうはかせであり、また進士蔵人しんしくろうどの職にあった海野道広みちひろどのは、あなたでしたか」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
宮は詩をお作りになる思召おぼしめしで文章博士もんじょうはかせなどをしたがえておいでになるのである。夕方に船は皆岸へ寄せられて、奏楽は続いて行なわれたが、船中で詩のえんは開かれたのであった。
源氏物語:49 総角 (新字新仮名) / 紫式部(著)
教授の文章博士もんじょうはかせなどからも、俊才といわれたり、将来の逸材と、属目しょくもくされていた盛遠なのだ。
惟光これみつの兄の阿闍梨あじゃりは人格者だといわれている僧で、その人が皆引き受けてしたのである。源氏の詩文の師をしている親しい某文章博士もんじょうはかせを呼んで源氏は故人を仏に頼む願文がんもんを書かせた。
源氏物語:04 夕顔 (新字新仮名) / 紫式部(著)
御仏みほとけへの願文を文章博士もんじょうはかせに作らせる下書きをしたすずりのついでに、薫は
源氏物語:49 総角 (新字新仮名) / 紫式部(著)