抽出ぬきだ)” の例文
幸徳らは政治上に謀叛して死んだ。死んでもはや復活した。墓は空虚だ。いつまでも墓にすがりついてはならぬ。「もしなんじの右眼爾をつまずかさば抽出ぬきだしてこれをすてよ」
謀叛論(草稿) (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
書棚をのぞいて奥を見て、抽出ぬきだす論語の第一巻——やしきは、置場所のある所とさへ言へば、廊下の通口かよいぐちも二階の上下うえしたも、ぎつしりと東西の書もつのそろつた、硝子戸がらすど突当つきあたつて其から曲る
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
そこで雉を手軽なロースにするのは外のロースの通り丸のまま一羽の肉の上へバターを載せて強い火のテンピで焼きながら五分間ごとに抽出ぬきだしてつゆをかけて五十分間も焼くと出来ます。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
書棚しよだなのぞいておくて、抽出ぬきだ論語ろんご第一卷だいいつくわん——やしきは、置場所おきばしよのあるところとさへへば、廊下らうか通口かよひぐち二階にかい上下うへしたも、ぎつしりと東西とうざいしよもつのそろつた、硝子戸がらすど突當つきあたつてそれからまが
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そうしてその上へ大匙一杯のバターを載せて強い火で焼きますがテンピなら五十分間位ストーブなら四十分間位です。その間には五分間ごとに抽出ぬきだしてよくつゆをかけなければなりません。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
(腹がけのどんぶりより、びたるナイフを抽出ぬきだす。)
山吹 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)