抱込だきこ)” の例文
離すと、いことに、あたり近所の、我朝わがちょう姉様あねさま仰向あおむけ抱込だきこんで、ひっくりかへりさうであぶないから、不気味らしくも手からは落さず……
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
はなすと、いことに、あたり近所きんじよの、我朝わがてう※樣あねさま仰向あをむけ抱込だきこんで、ひつくりかへりさうであぶないから、不氣味ぶきみらしくもからはおとさず……
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
男の方は、その重量おもみで、窓際へ推曲おしゆがめられて、身体からだ弓形ゆみなりえて納まっている。はじめは肩を抱込だきこんで、手を女の背中へまわしていました。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一体黒い外套氏が、いい年をした癖に、悪く色気があって、今しがた明保野の娘が、お藻代の白い手におびえて取縋った時は、内々で、一抱きやわらかな胸を抱込だきこんだろう。……ばかりでない。
古狢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
うなつて、矢庭やには抱込だきこむのを、引離ひきはなす。むつくり起直おきなほる。
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)