ばか)” の例文
さうかといつて自分の行く先を馬に訊く事も出来なかつた。特別の場合のほかは馬は大抵主人よりはばかなものときまつてゐるから。
臧は二成が兄のためにばかにせられたのだろうと思って、二成を兄の所へやって容子を見さした。兄はその時嚢から出した金を几の上にならべて、母とよろこびあっていた。
珊瑚 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
「私はばかぢやありません。」
何故といつて、馬は士官のやうに制服制帽で人を見分けるやうなばかな真似はしないから。
「私はなんというばかだろう。私はなんという心だったろう。」
珊瑚 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
人間をかすも殺すも、この世間の思わく一つによることなんだが、もともと人間って奴が妙な生れつきでね。多勢集まると、一人でいる時よりも品が落ちて、とかくばかになりやすいんだ。
艸木虫魚 (新字新仮名) / 薄田泣菫(著)
「ほんとにあなたはばかですよ。」
珊瑚 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)