“惰力”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
だりょく77.8%
だりよく22.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
土埃をたてて斜面をけ下ると、惰力だりょくで危うく池の中に飛びこみそうになったが、岸にある無花果いちじくの樹にようやくつかまった。顔見合わせ大声立てて笑った。
糞尿譚 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
斬り開かれた腹部から中庭の石に臓腑ぞうふがつかみ出されていたにかかわらず、どくっどくっと、死直後の惰力だりょく動悸どうきを打って、あたたかい血を奔出ほんしゅつさせていた。
女肉を料理する男 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
動止うごきやんだ赤茶あかちやけた三俵法師さんだらぼふしが、わたしまへに、惰力だりよくで、毛筋けすぢを、ざわ/\とざわつかせて、うツぷうツぷあへいでる。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
こまつたものだとはおもひながらも、ひとつは習慣しふくわん惰力だりよくでとう/\五個月間かげつかんやりつゞけた。さうすると、どうだらう。或日あるひ先方せんぱうやつ突然とつぜんぼくうちにやつてて……
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)