“だりょく”の漢字の書き方と例文
語句割合
惰力100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その用心か惰力だりょくかなにかで文句を言い、石の一つも投げてみようという手ずさみは、まあわかっているが、もうこの通り、馬も取鎮めてしまって、そうして穏かにいて帰ろうてえのに
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
それは今回の総力比島ひとう攻撃に用意した物量が非常に大きかったから、その惰力だりょくで今は敵を押しているのだ。しかし後二週間ち三週間経つと、この影響は深刻に戦闘力の上に加わってくる。
諜報中継局 (新字新仮名) / 海野十三(著)
惰力だりょくの法則はいつのまにか苦痛という意識さえ奪ってしまった。彼は毎日無感激にこの退屈そのものに似た断崖の下を歩いている。地獄の業苦ごうくを受くることは必ずしも我々の悲劇ではない。
十円札 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)