惨敗ざんぱい)” の例文
敗軍はいぐんしょうは兵をかたらずと申します。ひとたび天目山てんもくざん惨敗ざんぱいをとられた父上が、弓矢をなげうつのご決心は、よくわかっておりまする。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
シベリアから雪と氷とを永遠に追放して呉れさえすれば、今次戦こんじせん惨敗ざんぱいをくらった政権が猛然と立ち直り得るというのであった。
武帝ぶていは思いのほか腹を立てなかった。本軍たる李広利りこうりの大軍さえ惨敗ざんぱいしているのに、一支隊たる李陵の寡軍かぐんにたいした期待のもてよう道理がなかったから。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
到底とうてい自分のような光沢こうたくにおいもない力だけの人間が、崖の上の連中に入ったら不調和な惨敗ざんぱいときまっている。わけて真佐子のような天女型の女性とは等匹とうひつできまい。
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
その私の繰り返し繰り返し言った忠告が効を奏したのか、あるいは、かのシェパアドとの一戦にぶざまな惨敗ざんぱいきっしたせいか、ポチは、卑屈なほど柔弱にゅうじゃくな態度をとりはじめた。
日々に訳す暗号電報から、味方の惨敗ざんぱいは明かであった。連日飛来ひらいする米機の様相から、上陸が間近であることも必至ひっしであった。不気味な殺気をはらんだ静穏せいおんのまま、季節は八月に入って行った。
桜島 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
彼らに先だって夏のうちに天山へと出撃した弐師じし将軍はいったん右賢王うけんおうを破りながら、その帰途別の匈奴きょうどの大軍に囲まれて惨敗ざんぱいした。漢兵は十に六、七を討たれ、将軍の一身さえ危うかったという。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
ここでは、さしもの織田軍も、惨敗ざんぱいきっした。以来、彼は
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)