悠然のつそり)” の例文
老優は上着を着終るのも待たず白襯衣ブランシユシユミイズの上へパンタロン穿いたまゝ、ロダンの彫像が動き出した様な悠然のつそりした老躯を進めて、嵐の海の様に白い大きな二つのひがら目で見おろしながら
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
腹が減つたのでちがつたみちを登つて街へ引返したが、黒塗の大きな木靴をひきずつて敷石の上に音をさせなが悠然のつそりと歩くふとつた老人が土地で一流の料理屋レスタウラン「アンリイ四世楼」を教へてれた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)