たち)” の例文
四角に見えたる食卓ながら横に板をして支えの腕木をめければたちまち長方形の大なる食卓と変じぬ。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
種々にたゞされける所さしも世にとゞろ明奉行めいぶぎやうの吟味故其言葉そのことば肺肝はいかん見透みすかす如くにて流石さすがの平左衞門も申掠る事能はずと雖も奸智かんちたけたる曲者くせものゆゑたちまち答への趣意を變じて其身のつみ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
百丈和尚、およソ参ズルツイデ一老人アリ、常ニ衆ニシタガッテ法ヲキク。衆人シリゾケバ老人モマタシリゾク。たちマチ、一日シリゾカズ、師ツイニ問ウ。面前ニ立ツ者ハマタコレ何人ゾ。老人イウ。
野狐 (新字新仮名) / 田中英光(著)
賊軍少々抵抗したれど、たちまちにして退散す。気候暖かし。はれ
父の墓 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
中川の名案はたちまち子爵に採用せられたり
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)