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御供物
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おくもつ
ふりがな文庫
“
御供物
(
おくもつ
)” の例文
被告の妻の手から竹駒稲荷大明神の
御供物
(
おくもつ
)
と称して、モルヒネを混入せる菓子を与えて、その発作的胃神経痛の
疼痛
(
とうつう
)
を鎮めて以来
或る部落の五つの話
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
文反古
(
ふみほご
)
にて
腰張
(
こしばり
)
せる壁には
中形
(
ちゅうがた
)
の
浴衣
(
ゆかた
)
かかりて、その
傍
(
かたわら
)
なる
縁起棚
(
えんぎだな
)
にはさまざまの
御供物
(
おくもつ
)
賑
(
にぎわ
)
しきが
中
(
なか
)
に大きなる
金精大明神
(
こんせいだいみょうじん
)
も見ゆ。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
御供物
(
おくもつ
)
は毎日山の如く集まるので、食慾を満たすには何んの不自由もありませんが、床の間に日がな一日、お人形のように黙って坐っている辛気臭さは
奇談クラブ〔戦後版〕:15 お竹大日如来
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
祖母は信仰も何もないのですが、
昔気質
(
むかしかたぎ
)
ですから、
初午
(
はつうま
)
には
御供物
(
おくもつ
)
をなさいました。先住は質屋の隠居だったといいますから、その頃にはよく祭ったのでしょう。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
文吉
(
ぶんきち
)
、
藤治郎
(
とうじろう
)
、
多藏
(
たぞう
)
、
彌五右衞門
(
やごえもん
)
の七人に買って来て呉れてえ頼まれて、御守が七つ
御供物
(
おくもつ
)
が七つある、それは
宜
(
え
)
えが金が二十両脇から預かって、小さい風呂敷に包んで金がある
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
つぼみと、それを包む
薹
(
とう
)
とは、赤と白とを
市松格子形
(
いちまつこうしがた
)
に
互層
(
ごそう
)
にして、
御供物
(
おくもつ
)
の菓子のように盛り上っている。花として美しく開くものは、つぼみとしてまず麗わしく装わねばならなかった。
不尽の高根
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
「やっと
御供物
(
おくもつ
)
を供えるお祈りが始まったぐらいなものだよ、どうしたって」
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
御機嫌に
逆
(
さから
)
った時は、必ず人をもって
詫
(
わび
)
を入れるのが世間である。女王の
逆鱗
(
げきりん
)
は
鍋
(
なべ
)
、
釜
(
かま
)
、
味噌漉
(
みそこし
)
の
御供物
(
おくもつ
)
では直せない。役にも立たぬ五重の塔を
霞
(
かすみ
)
のうちに
腫物
(
はれもの
)
のように安置しなければならぬ。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
救うには、竹駒稲荷大明神の
御供物
(
おくもつ
)
、お
神酒
(
みき
)
と言って医薬を施すより他には途がないものと思ったからで御座います。
或る部落の五つの話
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
祠は急に
賑
(
にぎわ
)
い出した。或る農婦の、一昼夜も断続していた
胃痙攣
(
いけいれん
)
が、その
御供物
(
おくもつ
)
の一つの菓子でぴったりと止んだからだった。そして森の中には白い二本の大旗が立った。
或る部落の五つの話
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
供
常用漢字
小6
部首:⼈
8画
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
“御供”で始まる語句
御供
御供養
御供水
御供所
御供揃
御供頭
御供衆
御供人
御供仕
御供寮