後刻ごこく)” の例文
もみながら今晩こんばんは何分御泊おとめ申こと出來難く其譯は今夜村の寄合にて後刻ごこくは大勢集まり候間御氣のどくながら御宿おやど御斷おことわり申上ると云けるに武士は樣子やうす
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
雨乞あまごいの雨は、いづれ後刻ごこくの事にして、其のまゝ壇をくだつたらば無事だつたらう。ところが、遠雷えんらいの音でも聞かすか、暗転に成らなければ、舞台にれた女優だけに幕が切れない。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「はい、それでは後刻ごこくまた伺いまする……それからあの、ただいま、太夫様に会うには会うようにして会えとおっしゃいましたが、それはどう致したらよろしゅうございましょう」
「ではまた、後刻ごこくあらためてお目にかかりましょう」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「では後刻ごこくに……」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
引連ひきつれ上野町の名主佐久間某方それがしかたまで送りゆき此者并びに具足櫃其外後刻ごこくまで預るべしと申渡し又々火事場へ引返しけり是則ち享保四年極月ごくげつ十三日の夜の事にて漸々やう/\火事もしづまりしかば上野の御固おんかためは勿論もちろん武家方ぶけがた人數にんず町火消等まちひけしらも夫々に引取けるにより大岡越前守殿には
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)