)” の例文
麓の前橋あたりに春がくと赤城の裾は下の方から、一日ごとに上の方へ、少しばかりずつ、淡緑の彩が拡がってゆく。
わが童心 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
(三六)ばうもつばうへ、なるをらず。神農しんのう(舜 )・(禹 )(三七)忽焉こつえんとしてぼつしぬ、(三八)われいづくにか適歸てききせん。吁嗟ああ(三九)かん。(四〇)めいおとろへたるかな
花も散って、春はこうとしていた。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
きしは千載ちとせか、ちりか、わが手弱女たをやめ
独絃哀歌 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
三人は、平野の青草にく春のものうい風が渡っている一日、会津と上州の国境に近い奥利根の支流片品川の源へ分け入った。里は、晩春であるが、ここは早春が訪れたばかりであった。
葵原夫人の鯛釣 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
くやまごつく旅の五六日
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)