“徂来”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
そらい66.7%
ゆきき33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
北海の水の上にまだ流氷の残塊が徂来そらいするころ、通例、成牡ブルと呼ばれる、四五十頭の、怪物のような巨大獣が先着し、上陸しやすい場所を占領してあとからくる成牝カウを待つ。
海豹島 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
目の前には、さまざまな幻が、瀕死ひんしの彼をあざけるように、ひっきりなく徂来そらいすると、その幻と、現在門の下で起こっている出来事とが、彼にとっては、いつか全く同一な世界になってしまう。
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
街路みちの両側には、門々に今を盛りと樺火かばびが焚いてある。其赤い火影ほかげが、一筋町の賑ひを楽しく照して、晴着を飾つた徂来ゆききの人の顔が何れも/\酔つてる様に見える。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)