弟妹きょうだい)” の例文
竹藪たけやぶがざわざわ鳴っていた。崖に挟まれた赤土路を弟妹きょうだい達が歩いている。跣足はだしになっているのも、靴を穿いているのもいた。
秘められたる挿話 (新字新仮名) / 松本泰(著)
長太郎の願書には、自分も姉や弟妹きょうだいといっしょに、父の身代わりになって死にたいと、前の願書と同じ手跡で書いてあった。
最後の一句 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「——日本に残して来た家の者たちは、わしが生きているとは夢にも思っていないだろうな。母はまだ達者かしら。弟妹きょうだいたちは、どうしたろう」
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そいつを調べてくれ。そればかりでなく、三島の家の様子も調べて来るんだぜ。そのおきわという娘に弟妹きょうだいがあるかどうか。それをよく洗って来てくれ。いいか」
半七捕物帳:20 向島の寮 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
唯彼は妹と違って、腹違いの弟妹きょうだいがズンズン成長しとなって行くところを黙っててはいられなかった。
(新字新仮名) / 島崎藤村(著)
弟妹きょうだいに会ったようではなく、おじさんおばさんに会ったような気がした。
三十年後の世界 (新字新仮名) / 海野十三(著)
弟妹きょうだいに会ったようではなく、おじさんおばさんに会ったような気がした。
三十年後の東京 (新字新仮名) / 海野十三(著)
弟妹きょうだい二人のかたき、佐太郎めを、以来尋ね廻ること十年あまり。それを
下頭橋由来 (新字新仮名) / 吉川英治(著)