座像ざぞう)” の例文
七二 栃内とちない村の字琴畑ことばたは深山の沢にあり。家の数は五軒ばかり、小烏瀬こがらせ川の支流の水上みなかみなり。これより栃内の民居まで二里をへだつ。琴畑の入口に塚あり。塚の上には木の座像ざぞうあり。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
それは見台をわきにした座像ざぞうで、三蓋菱さんがいびし羽織はおりの紋や、簡素な線があらわした着物の襞襀ひだにも特色があったが、ことに、その左の手をくつろいだ形に置き、右の手で白扇をついたひざこそは先師のものだ
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)