幅広はばひろ)” の例文
旧字:幅廣
ちょうどそこへ、忠太郎がどこかへ出るのらしく、立て付けの悪い板戸を開けたので、薄い光が、幅広はばひろい縞になつて流れ出して来た。
栗の花の咲くころ (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
ギラリと、抜いた、幅広はばひろ部厚ぶあつの太刀を、ぐうッと、上段に引き上げて、鉄棒のように硬く長いからだを、ずいずいと進めて来た。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
シグナルとシグナレスはぱっと桃色ももいろえました。いきなり大きな幅広はばひろい声がそこらじゅうにはびこりました。
シグナルとシグナレス (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
林檎むく幅広はばひろないふまさやけく咲きてる桜花はなの影うつしたり
(新字旧仮名) / 岡本かの子(著)