帆走ほばし)” の例文
そうです、いままでにこの月の体験しなかったことがあるでしょうか! ノアの大洪水だいこうずいのときにも、その水の上を帆走ほばしったのです。
大江の上には帆走ほばしっているやや大きい船もあれば、ささの葉形の漁舟ぎょしゅうもあって、漁人のつりしているらしい様子も分る。
観画談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
あのおだやかな春の海を、いっぱい日光を浴びて、金色こんじきに輝いて帆走ほばしって来る船を! あの姿すがたがあなたをおどりあがらせないのは不思議というほかはない。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
それと同じく宝船たからぶねまくらの下に敷いて眠っても、ただ欲張よくばり考えで眠れば、よし宝船を夢みても遠い沖を帆走ほばしる光景を見たり、あるいはかえって宝船の難破を見たりするであろう。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
「海はいでいました」と、月が言いました。「水は、わたしが帆走ほばしっていたみきった空気のように、きとおっていました。 ...