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巾着切
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きんちゃくき
ふりがな文庫
“
巾着切
(
きんちゃくき
)” の例文
「解ったよ。三百八十両の大金を
巾着切
(
きんちゃくき
)
りにやられて、主人への申し訳、言い交した女と一緒に、ドブンとやらかそうという筋だろう」
銭形平次捕物控:075 巾着切りの娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
巾着切
(
きんちゃくき
)
りというやつがいる、人が井戸ん中へ入ってる時でもなんでもかまあずに、人の物を盗るような火事場泥棒がいる
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「風来坊の乞食の
無頼漢
(
ならずもの
)
のろくでなしの
極道
(
ごくどう
)
の傴僂野郎め、
巾着切
(
きんちゃくき
)
りの矢尻切りの嘘つきの恥知らずの
磔
(
はり
)
つけ野郎め、おまけに」「お父さま、——」
艶妖記:忍術千一夜 第一話
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
十の年には、立派な
巾着切
(
きんちゃくき
)
りさ。それから知合いもできてきた。十七の頃には、立派などろちゃんだ。店を破り、錠をねじあける。とうとうつかまった。
死刑囚最後の日
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
巾着切
(
きんちゃくき
)
りの用心に
財布
(
せえふ
)
をにぎってばかりいねえでサ、その
財布
(
せえふ
)
のひもを、ちっとといたらどんなもんだい
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
「悪党だって、絵の上手なのも居るし、家で
盆栽
(
ぼんさい
)
をいじっている奴もある。現に、
木鼠
(
きねずみ
)
の三公なんかは、
巾着切
(
きんちゃくき
)
りは
下手
(
へた
)
だが、伝馬牢へ入ると、時々、句を作って出てくるそうだ」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
むやみに
巾着切
(
きんちゃくき
)
りのようにこせこせしたり物珍らしそうにじろじろ人の顔なんどを見るのは下品となっている。ことに婦人なぞは後ろをふりかえって見るのも品が悪いとなっている。
倫敦消息
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
巾着切
(
きんちゃくき
)
りから、女白浪——長崎で役を勤めるようになってからは、
紅毛碧眼
(
こうもうへきがん
)
の
和蘭
(
オランダ
)
、
葡萄牙
(
ポルトガル
)
人、顔色の青白い背の高い唐人から、
呂宋
(
ルソン
)
人まで善悪正邪にかかわらず、
凡
(
およ
)
そありと
凡
(
あら
)
ゆる
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
「そうじゃアない
巾着切
(
きんちゃくき
)
りだと」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
巾着切
(
きんちゃくき
)
り上がりの弟子の滝松というのを使って、近所でかっ払い、こそ泥、
誘拐
(
かどわかし
)
を働かせ、その
盗
(
と
)
った物やさらった子供を隠しておいて、人相や占いの客が来ると
銭形平次捕物控:094 死相の女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
日本は
巾着切
(
きんちゃくき
)
りの態度で美術品を作る。西洋は大きくて
細
(
こま
)
かくて、そうしてどこまでも
娑婆気
(
しゃばっけ
)
がとれない。まずこう考えながら席に着く。若い男は余とならんで、花毯の
半
(
なかば
)
を占領した。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「すると
巾着切
(
きんちゃくき
)
りで? それともちぼ……」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「やいやいやい、馬鹿な事をすると勘弁しねえぞ、女
巾着切
(
きんちゃくき
)
りを捕まえたんだ、これが見えねえか」
銭形平次捕物控:031 濡れた千両箱
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ハッハッハッ、
巾着切
(
きんちゃくき
)
りにやられたよ、江戸者も旅に出ちゃ、からだらしがねえ」
銭形平次捕物控:082 お局お六
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
巾
常用漢字
中学
部首:⼱
3画
着
常用漢字
小3
部首:⽬
12画
切
常用漢字
小2
部首:⼑
4画
“巾着”で始まる語句
巾着
巾着頭
巾着銭
巾着網
巾着茄子