“已(す)” の例文
あるいは已(す)でに乗り込んで間のない人たちへ報告して多少の参考ともなり、心の準備の一助とかあるいは長途の旅の講談倶楽部(クラブ)ともなれば幸(さいわい)だと思う次第である。
油絵新技法 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
我は已(す)でに冬の寒さに慣れたり、慣れしと云ふにはあらねど、我はこれに怖るゝ心を失ひたり、夏の熱さにも我は我が膓(はらわた)を沸かす如きことは無くなれり、唯だ我九膓を裂きて又(ま)た裂くものは
我牢獄 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
頂点の仕事が已(す)でにその時代において為(な)し尽されているように思えてならないのである。
油絵新技法 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
例えば風景の場合、西洋画にあっては近景に立てる樹木、家、石垣等が殆(ほと)んど画面を占領してしまい、百里の遠方は已(す)でに地平線という上の一点に集合している次第となってしまう。
油絵新技法 (新字新仮名) / 小出楢重(著)