めと)” の例文
二の宮も同じ六条院の寝殿を時々行ってお休みになる所にあそばして、御所では梅壺うめつぼをお住居に使っておいでになったが、右大臣の二女をおめとりになっていた。
源氏物語:44 匂宮 (新字新仮名) / 紫式部(著)
庄造は煩雑はんざつなことが嫌いなので、妻もめとらず時どき訪れて来る俳友の他には、これと云って親しく交わる人もなく、一人一室に籠居ろうきょして句作をするのを何よりの楽しみにしていた。
狸と俳人 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「長羅、爾は我をあざむいた。不弥の女よ。我に来れ。我は爾をめとりに長羅をった。」
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
下の令嬢はまた順序どおりに三の宮がおめとりになるのであろうと世間も見ているし、中宮ちゅうぐうもそのお心でおありになるのであるが、兵部卿の宮にそのお心がないのである。
源氏物語:44 匂宮 (新字新仮名) / 紫式部(著)