“妖女”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ようじょ42.4%
ウェーヂマ18.2%
えうぢよ9.1%
フェアリイ3.0%
フエアリイ3.0%
えうじよ3.0%
ウィッチ3.0%
ウェージマ3.0%
ウエーヂマ3.0%
ウヰッチ3.0%
シレエヌ3.0%
フェアリー3.0%
フエアリー3.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
表情の自由な、如何いかにも生き生きとした妖女ようじょの魅力に気圧けおされて、技巧を尽した化粧も着附けも、醜く浅ましい化物のような気がした。
秘密 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
ところで、その間にも妖女ウェーヂマはぐんぐん高く昇つて、今はただ一つの黒い小さな点となつて上空にチラホラ隠見してゐるだけである。
ある山の村に、きれいな、青い湖水がありました。その湖水の底には、妖女えうぢよの王さまが、三人の王女と一しよに住んでゐました。
湖水の鐘 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
あの子は、ほんとうは妖女フェアリイじゃアないけど、見付かった時には、まるでお伽噺の中のプリンセスみたいに、お金持になるのでしょう。
これが私の青白い小さな妖女フエアリイだらうか? これが私の芥子からし種子たねだらうか? 頬にゑくぼのある、薔薇色の唇をした、襦子のやうなつや/\した淡褐色たんかつしよくの髮と
すると、眠つてゐた小さな妖女えうじよたちは、その足音にびつくりして、目をさまし、大あわてにあわてゝ王さまのところへしらせにいきました。
湖水の鐘 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
人を思うとおりに、もてあそんだ妖女ウィッチの顔に見るような、必死な薄笑いが、その高貴な面に宿っていた。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
そんな位なら、いっそ、晩になると妖女ウェージマの話ばかりしている糸紡女いとひきおんなのところへでも行ったらどうです。
「あんたとこのおつかさん、妖女ウエーヂマだつてほんと?」
彼女のおもてには、父の危篤を憂ふるやうな表情は、痕も止めてゐなかつた。人を思ふとほりに、弄んだ妖女ウヰッチの顔に見るやうな、必死な薄笑ひが、その高貴なおもてに宿つてゐた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
草色くさいろ薔薇ばらの花、海の色の薔薇ばらの花、ああうみのあやしい妖女シレエヌほぞ草色くさいろ薔薇ばらの花、波に漂ふ不思議な珠玉しゆぎよく、指が一寸ちつとさはると、おまへは唯の水になつてしまふ、僞善ぎぜんの花よ、無言むごんの花よ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
私はいつもお伽噺がほんとになるのを見とどけたいと思っていたのよ。ところが、今私はお伽噺の中に住んでるんだわ。私自身も妖女フェアリーになったような気がするわ。
「まつたくいゝです。」彼は云ひ切つて會釋ゑしやくすると門を離れた。彼女は一つの道を、彼は別の道を行つた。原を妖女フエアリーのやうに下りて行きながら、彼女は二度彼の方を振り返つて見た。