如件くだんのごとし)” の例文
右の条々、つつしんで相守り申すべく候。もし違乱に及び候わば、八百万やおよろず天津神あまつかみ国津神くにつかみ、明らかに知ろしめすべきところなり。よって、誓詞如件くだんのごとし
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
事情斯くの如くに御座候間小生は御貴殿様に頭の上らぬ代物しろものに御座候。万一にも御恩を忘れ候節は此証文を取引所前にて御公表も不苦くるしからず依而よってさつ如件くだんのごとし
勝ち運負け運 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
が、近附いて見ると、坂東、沢村、市川、中村、尾上、片岡、役者の連名も、如件くだんのごとし、おそば、お汁粉、牛鍋なんど、紫の房の下に筆ぶとに記してあった……
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
其方懷姙くわいにんのよし我等血筋ちすぢ相違さうゐ是なしもし男子なんし出生に於ては時節じせつを以て呼出よびいだすべし女子たらば其方の勝手かつてに致すべし後日ごにち證據しようこの爲我等身にそへ大切に致候短刀たんたう相添あひそへつかはし置者也依而よつて如件くだんのごとし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
御相伝被下候上は、御指南之条条堅相守、稽古半に相止申間敷、且他流と藝替不仕候。右於相背者あひそむくにおいては、秋葉大権現摩利支尊天、別而べつして鬼神之御罰相蒙可申候也。仍誓約如件くだんのごとし。嘉永四年歳次辛亥十一月。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
以て如件くだんのごとしなんだが、さてこれで級第かね?
つて起請文如件くだんのごとし
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
小女こおんなが一度、右の千鳥女史とささやき合って、やがて巡査の顔を見い見い、二階に寝ていたのを起した始末。笑い掛けたのは半途でおさえ、噴出ふきだしたのは嚥込のみこんで、いやに静かな事よって如件くだんのごとし
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)