売買ばいばい)” の例文
旧字:賣買
「品物なら判然はっきりそう解釈もできるのですが、不幸にも御礼が普通営業的の売買ばいばいに使用する金なのですから、どっちとも取れるのです」
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あるとき老人ろうじんくちをすべらし、きん売買ばいばい自由じゆうになつたはなしをしたものだから、ハッキリとそれは金塊きんかいだろうということがわかつたわけです。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
「この世の悪魔あくまの店にあるものは何ものもみな相応のあたいがあって売買ばいばいされるが、価なしに得らるるものは独りかみのみ」
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
二 遠野の町は南北の川の落合おちあいにあり。以前は七七十里しちしちじゅうりとて、七つの渓谷おのおの七十里の奥より売買ばいばいの貨物をあつめ、そのいちの日は馬千匹、人千人のにぎわしさなりき。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
地所じしょ売買ばいばいや、訴訟そしょう代理人だいりにんなどになってて、そんなことで報酬ほうしゅうて、その一のものはらしていたのですが、物識ものしりというとおっているので、このもののいったことは、むらでは
天下一品 (新字新仮名) / 小川未明(著)
自分に手を着けて売買ばいばい貸借かしかりは何分ウルサクて面倒臭くてる気がない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)