“哀別離苦”の読み方と例文
読み方割合
あいべつりく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
浦伝い、島伝いの頼りない海上生活が始まったのです、私は始めて、この目で、哀別離苦あいべつりく怨憎会苦おんぞうえくを味わったのでございました。
少時しばし手にせるままにながめゐれば、よし今は憂くも苦くも、ひさしく住慣れしこの世を去りて、永く返らざらんとする身には、わづか一盃いつぱいの酒に対するも、又哀別離苦あいべつりくの感無き能はざるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
つきて、面影おもかげゆべくは、たれかまた哀別離苦あいべつりくふものぞ。たかれいよ、須臾しばらくあひだかへれ、に。きみにあこがるゝもの、あいらしくかしこ遺兒ゐじたちと、温優貞淑をんいうていしゆくなる令夫人れいふじんとのみにあらざるなり。
芥川竜之介氏を弔ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)