“名弘”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なびろ66.7%
なびろめ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
美妙斎の筆蹟は定家ていかようの極めて美くしい書風であったが、何となく芸人披露の名弘なびろめの散らしの板下然はんしたぜんとして気品に欠けていた。
美妙斎美妙 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
勝久は看板を懸けてから四年目、明治十年四月三日に、両国中村楼で名弘なびろめの大浚おおざらいを催した。浚場さらいば間口まぐちの天幕は深川の五本松門弟じゅう後幕うしろまく魚河岸問屋うおがしどいや今和いまわと緑町門弟中、水引みずひきは牧野家であった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
壻は新宿しんじゅく岩松いわまつというもので、養父の小字おさなな小三郎を襲ぎ、中村楼で名弘なびろめの会を催した。いまだいくばくならぬに、小三郎は養父の小字を名告なのることをいさぎよしとせず、三世勝三郎たらんことを欲した。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)