“古樸”の読み方と例文
読み方割合
こぼく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
形の上で意識的に調和を求めたような痕跡こんせきはみられない。胴体のくねりも遊び足もない。それぞれが古樸こぼくに佇立しているだけである。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
そして二郎とは無くて小太郎とあるが、まことに古樸こぼくの味のあるもので、想ふに足利末期から徳川初期までの多くの人〻の涙をしぼつたものであらう。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「相見ては千歳やぬるいなをかも我やしか念ふ君待ちがてに」(巻十一・二五三九)の「否をかも」と同じである。古樸こぼくな民謡風のもので、二つの聯想れんそうむしろ原始的である。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)