口紐くちひも)” の例文
春重はるしげかたわらにいたべに糠袋ぬかぶくろを、如何いかにも大切たいせつそうに取上とりあげると、おもむろに口紐くちひもいて、十ばかりのつめてのひらにあけたが、そのままのたぎる薬罐やかんなかへ、一つ一つ丁寧ていねいにつまみんだ。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)