“半蓑”の読み方と例文
読み方割合
はんみの100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すると、突如、大銀杏おおいちょうの木蔭から、竹ノ子笠を眉深まぶかに、身には半蓑はんみのをまとった武士が、つばめのごとく、公卿の傘へ、体当りにぶつかッて逃げた——。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
入り口の壁の内側には半蓑はんみののかかっているのも山家らしいようなところだ。やがて半蔵は驚いたように二階から降りて来て勝重を下座敷へ迎え入れた。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
しかし、半蔵はもう背中に半蓑はんみのをつけて、敷居の外へ一歩ひとあし踏み出していた。尾州藩の一隊は幾組かに分かれて、本陣に昼食の時を送っている家中衆もある。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)