午食ひるめし)” の例文
どうも気分が悪くて事務が執れないと云つて、辻馬車に乗つて帰つた。午食ひるめしは食べたくないと云つて食はなかつた。
板ばさみ (新字旧仮名) / オイゲン・チリコフ(著)
新坊が泣出しでもすると訳もなく腹立しくなる。幾度いくたびも/\室の中を片付けてるうちに、午食ひるめしになつた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
それから私は、午食ひるめしまでの時間を彼女のお手本にする小さいスケッチを二三枚畫いて過さうと思つた。
午食ひるめしの時、Kと私は向い合せに席を占めました。下女げじょに給仕をしてもらって、私はいつにない不味まずめしを済ませました。二人は食事中もほとんど口をきませんでした。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
午食ひるめし前には
「あるくのは、真平まっぴらだ。これからすぐ電車へ乗って帰えらないと午食ひるめしを食いそくなう」
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
まだ午食ひるめしに余程間があると見えて、誰一人水汲が来てゐない。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)