劉玄徳りゅうげんとく)” の例文
一方、小沛にある劉玄徳りゅうげんとくは、到底、その大軍を受けては、勝ち目のないことも分っているし、第一兵器や糧秣さえ不足なので
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
内供は、震旦しんたんの話のついで蜀漢しょくかん劉玄徳りゅうげんとくの耳が長かったと云う事を聞いた時に、それが鼻だったら、どのくらい自分は心細くなくなるだろうと思った。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
そして寄手を攪乱かくらんせしめ、使いを派して、こちらは劉玄徳りゅうげんとくと結託します。玄徳は温良高潔の士、必ず今でも、あなたの苦境は見捨てますまい
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これは予州よしゅうの太守劉玄徳りゅうげんとくが義弟の関羽かんうあざな雲長うんちょうなり、家兄玄徳の仰せをうけて、義のため、呂布を扶けに馳けつけて参った。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「しかも、漢室の宗族のうちにこの人があろうとは、正に、天佑ではないか。見たまえ、ご列親のうちに予州よしゅう刺史しし劉玄徳りゅうげんとくの名があるではないか」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そうだ。近頃、新しく徐州の封をうけて、陶謙とうけんの跡目をついで立った劉玄徳りゅうげんとくを頼ってゆこう。……どうだろう陳宮」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
漢中王の劉玄徳りゅうげんとくは、この春、建安二十五年をもって、ちょうど六十歳になった。魏の曹操より六ツ年下であった。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
亡父君ちちぎみのご遺言とはあるが、江夏には兄上がいるし、新野には外戚がいせき叔父しゅくふ劉玄徳りゅうげんとくがいる。もしこのかみ叔父しゅくふがお怒りの兵を挙げて、罪を問うてきたら何とするぞ」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
御命、かしこまりました——しかし、この下邳かひの城は、すでに敵の重囲にあり、また、淮南の通路は、劉玄徳りゅうげんとくが関をもうけて、往来を厳しく監視しておりますとか。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いや、その劉玄徳りゅうげんとくどのなら、四日ほど前までここにおられたが、城中の小勢を見て、この勢力では事を
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
劉玄徳りゅうげんとくは、仁人じんじんである。故主の墳墓の土も乾かぬうちに、曹操へ降を乞い、国を売るの賊、汝らこそしからん。——いで、魏延が城門をあけて、玄徳を通し申さん」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
孤立無援こりつむえんの中に、苦闘していた城兵は、思わぬ劉玄徳りゅうげんとくの来援に、幾たびも歓呼かんこをあげてふるった。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「——実はまだ、先生にもお告げしてないが、拙者は先頃から、新野しんや劉玄徳りゅうげんとくに仕えていました」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして劉玄徳りゅうげんとくとか、曹操そうそうとか関羽かんう張飛ちょうひそのほか、主要人物などには、自分の解釈や創意をも加えて書いた。随所、原本にない辞句、会話なども、わたくしの点描てんびょうである。
三国志:01 序 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いま、汝南じょなんにある劉玄徳りゅうげんとくが、劉辟りゅうへき龔都きょうとなどを語らって、数万の勢をあつめ、都の虚をうかがって、にわかに攻め上らんとするかの如く、動向、容易ならぬものが見えまする!」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その事を、むかし漢土において、劉玄徳りゅうげんとくが孔明の廬を叩いた三顧の礼になぞらえて
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まだ二十七歳でしかなかった青年孔明が、農耕の余閑、草廬そうろに抱いていた理想の実現であったのである。時に、三して迎えた劉玄徳りゅうげんとく奨意しょういにこたえ、いよいよを出て起たんと誓うに際して
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
せっかく、しょくに立つや、劉玄徳りゅうげんとくは、遺孤いこ孔明こうめいに託してった。孔明のかなしみは、食も忘れたほどだったという。——だが、わしとおぬしの間はあべこべだ。孔明に先立たれた劉備りゅうびにひとしい。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
つまり景帝の第七子中山靖王ちゅうざんせいおうえいは、地方官として朝廷を出、以後数代は地方の豪族として栄えていたが、諸国の治乱興亡のあいだに、いつか家門を失い、土民に流落して、劉玄徳りゅうげんとくの両親の代には
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこで行き会った劉玄徳りゅうげんとくとその旗下きかの関羽、張飛たちも
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「待ちうけたり袁紹。われは平原の劉玄徳りゅうげんとく——」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)