“切開”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せっかい57.1%
きりひら42.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
切開せっかいです。切開して穴と腸といっしょにしてしまうんです。すると天然自然てんねんしぜんかれためんの両側が癒着ゆちゃくして来ますから、まあ本式に癒るようになるんです」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それをかこんで二人の人物が、熱心に頭と頭とをつきあわさんばかりにしていた。一人は白い手術着を着て、メスだのはさみだのを取りあげ、屍体の咽喉部いんこうぶ切開せっかいしていた。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
建物たてもの取𢌞とりまはした一棟ひとむね其池そのいけのあるうへばかり大屋根おほやね長方形ちやうはうけい切開きりひらいてあるから雨水あまみづたまつてる。
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
燁子あきこさんにしても、人世の桎梏しっこくの道を切開きりひらいて、血みどろになってこられたかたたちだ、その人の心眼に何がうつったか? ただ、寂しい心情とのみはいいきれないものではなかったろうか。
九条武子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)