俗物ぞくぶつ)” の例文
平等院びょうどういんだったね? 扇の芝は? 『椎を拾いて世を送るかな』なんて生きている中から位一級を進めて貰いたがるところは頼政よりまさ俗物ぞくぶつだね」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
此故このゆゑ当世たうせい文学者ぶんがくしやくち俗物ぞくぶつ斥罵せきばする事すこぶはなはだしけれど、人気じんきまへ枉屈わうくつして其奴隷どれいとなるはすこしもめづらしからず。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
息子や娘が母を時代おくれだと思い、父を俗物ぞくぶつだと考えるようになり、友だちとは楽しそうにきょうありげに熱心に話をする息子が、両親にはむっつりして、いうことがない。
親子の愛の完成 (新字新仮名) / 羽仁もと子(著)
これを書く者をも俗吏ぞくり俗物ぞくぶつとして賤しむのいきおいを成せり。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
渠等かれらつう原則げんそくまもりて俗物ぞくぶつ斥罵せきばするにもかかはらず。)然しながら縦令たとひ俗物ぞくぶつ渇仰かつがうせらる〻といへども路傍みちばた道祖神だうろくじんの如く渇仰かつがうせらる〻にあらす
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
さりながら人気じんき奴隷どれいとなるも畢竟ひつきやう俗物ぞくぶつ済度さいどといふ殊勝しゆしようらしきおくがあればあなが無用むようばゝるにあらず、かへつ中々なか/\大事だいじけつして等閑なほざりにしがたし。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)