二目にもく)” の例文
はじめ二目にもく三目さんもくより、本因坊ほんいんばう膏汗あぶらあせながし、ひたひ湯煙ゆけむりてながら、たる祕法ひはふこゝろむるに、僅少わづかに十餘子じふよしばんくや、たちまけたり。すなはひざまづいてをしへふ。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
蟠「はゝゝ、奥女中の御挨拶はと芝居めきますな、さて御前、お約束のお碁でございますが、わたくしは瀧村殿に二目にもく置きますから、丁度御前様とはお相碁あいごでございましょう」
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
軽蔑なんかしていない。それどころか、いつでも二目にもく三目さんもくも置いているはずだ
女生徒 (新字新仮名) / 太宰治(著)
尼奥様は碁聖きせい上人になって自慢をしようとは思いませんが、あなたの碁には負けないでしょうとお言いになりまして、勝負をお始めになりますと、そのとおりに僧都様が二目にもくお負けになりました。
源氏物語:55 手習 (新字新仮名) / 紫式部(著)