二人三人ふたりみたり)” の例文
巨勢はわれ知らず話しいりて、かくいひおわりし時は、モンゴリアがたの狭き目も光るばかりなりき。「いしくも語りけるかな、」と呼ぶもの二人三人ふたりみたり
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
驛の兩側を流れ落つる小溪、それにのぞみて衣洗へる少女をとめ二人三人ふたりみたりまばらに繁茂せる桑の畑などを見つゝ、少時しばしが程行けば、果して山田屋といへる飮食店あり。
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
しばらくして小提灯こぢようちん火影ほかげあかきが坂下より急ぎのぼりて彼方かなたに走るを見つ。ほどなく引返ひつかえしてわがひそみたるやしろの前に近づきし時は、一人ならず二人三人ふたりみたり連立つれだちてきたりし感あり。
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
二人三人ふたりみたり走り来て、わが其処そこに立てるを見つ。皆ひとみを集めしが
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)