)” の例文
九人は、完全にウツの庶民の心に、なり還つて居た。山の上は、昔語りするには、あまり寂しいことを忘れて居たのである。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ソレ人間ニンゲン浮生フジヤウナルサウヲツラツラクワンズルニ、オホヨソハカナキモノハ、コノチユウジユウマボロシノゴトクナル一期イチゴナリ、——てれくさくて讀まれるものか。べつなのを讀みませう。
陰火 (旧字旧仮名) / 太宰治(著)
唯うつとりと、塔のモトから近々と仰ぐ、二上山の山肌に、ウツの目からは見えぬ姿をオモようとして居るのであらう。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
唯うつとりと、塔のモトから近々と仰ぐ、二上山の山肌に、ウツの目からは見えぬ姿をオモようとして居るのであらう。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
唯うつとりと、塔のモトから近々と仰ぐ、二上山の山肌に、ウツの目からは見えぬ姿をオモようとして居るのであらう。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
神の純化が遂げられてゐなかつた頃の人々は、目に見えぬ力として、ウツの姿を消した人の霊をも、神と一列に幡もて、ぎよすべきものと信じたのである。
幣束から旗さし物へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
唯、他人ヒトの手に觸れさせたくない。かう思ふ心から、解いては縫ひ、縫うてはほどきした。ウツの幾人にも當る大きなお身に合ふ衣を、縫ふすべを知らなかつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
唯、他人ヒトの手に觸れさせたくない。かう思ふ心から、解いては縫ひ、縫うてはほどきした。ウツの幾人にも當る大きなお身に合ふ衣を、縫ふすべを知らなかつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
唯、他人ヒトの手に触れさせたくない。かう思ふ心から、解いては縫ひ、縫うてはほどきした。ウツの幾人にも当る大きなお身に合ふ衣を、縫ふすべを知らなかつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「とし」と言ふ語が、米穀物の義から出て、年を表すことになつたと見る方が正しいと同じく、此と同義語の「よ」が、など言ふ義を分化したものと見られる。
古代生活の研究:常世の国 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
としといふ語が米又は穀物の義から出てトシを表す事になつたと見る方が、正しい様であるとおなじく、同義語なる「よ」が、など言ふ義を分化したものと見られる。
丑刻ウシに、靜謐の頂上に達したウツは、其が過ぎると共に、俄かに物音が起る。月の、空を行く音すら聞えさうだつた四方の山々の上に、まづ木の葉が音もなくうごき出した。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
丑刻ウシに、靜謐の頂上に達したウツは、其が過ぎると共に、俄かに物音が起る。月の、空を行く音すら聞えさうだつた四方の山々の上に、まづ木の葉が音もなくうごき出した。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)