上汐あげしほ)” の例文
つまり河流かりゆう上汐あげしほとが河口かこう暫時ざんじたゝかつて、つひ上汐あげしほかちめ、海水かいすいかべきづきながらそれが上流じようりゆうむかつていきほひよく進行しんこうするのである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
それで翌十三日、上汐あげしほの時刻を見はからつて船はバッサン・アヴァルへ下つてしまつた。避難者の乘込は、その荷揚がすんでからといふことになつた。
大戦脱出記 (旧字旧仮名) / 野上豊一郎(著)
たゝつたな——裏川岸うらがし土藏どざうこしにくついて、しよんぼりとつたつけ。晩方ばんがたぢやああつたが、あたりがもう/\として、むかぎしも、ぼつとくらい。をりから一杯いつぱい上汐あげしほさ。
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「昨夜の上汐あげしほで、下の方から押し流されて來たのかも知れない」
折からの上汐あげしほ、あつぷ、あつぷとやる利助を尻目に