三日さんち)” の例文
暑中休暇を利用して海水浴に行った友達からぜひ来いという端書はがきを受け取ったので、私は多少の金を工面くめんして、出掛ける事にした。私は金の工面に三日さんちを費やした。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
……両三日さんち
妖術 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「いや、ありゃ、たった三日さんちまえじゃないか。そうはやく活版になってたまるものか。あれは来月出る。これは、ずっと前に書いたものだ。何を書いたものか標題でわかるだろう」
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
私は夢中で医者の家へけ込んだ。私は医者から父がもう三日さんちつだろうか、そこのところを判然はっきり聞こうとした。注射でも何でもして、保たしてくれと頼もうとした。医者は生憎あいにく留守であった。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)