“一夏”のいろいろな読み方と例文

読み方	割合
ひとなつ	53.8%
いちげ	30.8%
あるなつ	15.4%

ひとなつ

私は折々亡くなった父や母の事を思い出す外（ほか）に、何の不愉快もなく、その一夏（ひとなつ）を叔父の家族と共に過ごして、また東京へ帰ったのです。

こころ (新字新仮名) ／ 夏目漱石(著)

いちげ

是は阿波の鳴門に一夏（いちげ）を送る僧にて候。さても此浦は平家の一門果て給ひたる所なれば痛はしく存じ、毎夜此磯辺に出でて御経を読み奉り候。

お伽草紙 (新字旧仮名) ／ 太宰治(著)

あるなつ

母がまだ存生（ぞんじょう）の時だった。……一夏（あるなつ）、日の暮方から凄じい雷雨があった……電光（いなびかり）絶間（たえま）なく、雨は車軸を流して、荒金（あらがね）の地（つち）の車は、轟（とどろ）きながら奈落の底に沈むと思う。

霰ふる (新字新仮名) ／ 泉鏡花(著)

一	常用漢字 小１ 部首:⼀ 1画
夏	常用漢字 小２ 部首:⼢ 10画