“一図”のいろいろな読み方と例文
旧字:一圖
読み方割合
いちず87.2%
いちづ12.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
宗近の言は真率しんそつなる彼の、裏表の見界みさかいなく、母の口占くちうら一図いちずにそれと信じたる反響か。平生へいぜいのかれこれからして見ると多分そうだろう。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
マアそう一図いちずに怒らんでもよい。ナニも満が私たちに黙って自分の好きな女を引入れたのでなし、ともかくも東京へ来て本人を
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
どう云ふ作品が難有ありがたきか、そんな事はおぼろげながらわかつてゐれど、一図いちづにその道へ突き進む前に、もつといろいろな行き方へも手を出したい気少からず。
雑筆 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
我が抜苦ばつく与楽よらく説法せつぱううたがふ事なく一図いちづありがたがツて盲信まうしんすれば此世このよからの極楽ごくらく往生おうじやうけつしてかたきにあらず。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)