“ひとつや”のいろいろな漢字の書き方と例文

語句	割合
孤家	62.1%
孤屋	37.9%

孤家

前刻（さっき）も前刻、絵馬の中に、白い女の裸身（はだかみ）を仰向けにくくりつけ、膨れた腹を裂いています、安達（あだち）ヶ原の孤家（ひとつや）の、もの凄（すご）いのを見ますとね。

神鷺之巻 (新字新仮名) ／ 泉鏡花(著)

初発患者が発見（みつか）つてから、二月足らずの間（うち）に、隔離病舎は狭隘を告げて、更に一軒山蔭の孤家（ひとつや）を借り上げ、それも満員といふ形勢（すがた）で、総人口四百内外の中、初発以来の患者百二名、死亡者二十五名

赤痢 (新字旧仮名) ／ 石川啄木(著)

孤屋

遙向うの青山街道に車（くるま）の軋（きし）る響（おと）がするのを見れば、先発の荷馬車が今まさに来つゝあるのであった。人と荷物は両花道（りょうはなみち）から草葺の孤屋（ひとつや）に乗り込んだ。

みみずのたはこと (新字新仮名) ／ 徳冨健次郎、徳冨蘆花(著)

大風（おほかぜ）の凪（な）ぎたる迹（あと）に孤屋（ひとつや）の立てるが如く、侘（わび）しげに留守せる主（あるじ）の隆三は独（ひと）り碁盤に向ひて碁経（きけい）を披（ひら）きゐたり。

金色夜叉 (新字旧仮名) ／ 尾崎紅葉(著)