“ろじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
路次37.1%
路地23.5%
露地15.2%
露路13.6%
4.5%
露次4.5%
霧次0.8%
霧路0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
千代之助は猟犬の姿を見た野兎のように、きびすを返すと一目散に蜘蛛手の路次ろじに、その馬鹿馬鹿しく派手な姿を隠してしまいました。
百唇の譜 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
ト月ばかり経ったある晩、タツが銭湯に行こうとして出かかると、フイと、長屋の路地ろじをこっちへやってくる栗原の姿をみた。
工場新聞 (新字新仮名) / 徳永直(著)
ひるを過ぎても、墨江は帰らなかった。これはっておけないと賛五郎は考え出し、大小を落すと着流しのまま、家の露地ろじから出て行った。
死んだ千鳥 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここへ、三味線堀からいろは屋がまわって来たが、店にお武家ぶけの客がおると見ると、横手の露路ろじについて勝手口へ顔を出した。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
入って来たろじ工合ぐあいから平坦な土地のように感じていたその感じを裏切られてしまった。そこにはたらたらと降りて往く坂路さかみちのような路があった。
萌黄色の茎 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
寝鎮ねしずまった家の軒端のきばや、締め忘れた露次ろじに身をひそめて、掘割ぞいの鋪道に注意力をあつめていた。
東京要塞 (新字新仮名) / 海野十三(著)
酒場みせの前を避けるようにして、霧次ろじ伝いにさっきの場所まで引返して来た女は、そこの街燈に照された薄暗うすやみの中で、倉庫の板壁へ宮守やもりのようにへばりついたまま
動かぬ鯨群 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
亀岡氏の番頭さんというのは、師匠の家の隣りの袖蔵の側の霧路ろじに亀岡氏の別邸があって、其所そこに留守居のようにして住まっていた人でありました。