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まかい
ぐる/\と
急いで
廻つて
取着いて
追つて
上る。と
此の
矢間の
月は
赤かつた。
魔界の
色であらうと
思ふ。が、
猶予ふ
隙もなく
直ちに
三階目を
攀ぢ
上る……
さ、
其を
食べた
所爲でせう、お
腹の
皮が
蒼白く、
鱶のやうにだぶだぶして、
手足は
海松の
枝の
枯れたやうになつて、
漸つと
見着けたのが
鬼ヶ
島、——
魔界だわね。
天守にも
主人があれば
双六巌にも
主が
棲まう……どちらも
膚合の
同じ
魔物が、
疾え
話が
親類附合で
居やうも
知れぬだ。
魔界は
又魔界同士、
話の
附け
方もあらうと
思ふ、
何うだね、
御坊。