“はりつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
貼付38.2%
張詰20.6%
把栗8.8%
破笠8.8%
貼附5.9%
殴付2.9%
張付2.9%
張充2.9%
2.9%
粘付2.9%
糊附2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と天下の掟を掲げた高札の真ん中に何者の仕業しわざぞ、貼付はりつけた一枚の鼻紙、墨黒々と書かれたのは、この皮肉な落首でした。
礫心中 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
捕えたらあゝも云おう、うも云おうと意気んでいた泉原は、張詰はりつめた気がゆるむと、一時につかれを感じてきた。
緑衣の女 (新字新仮名) / 松本泰(著)
また福田把栗はりつ氏も俳句を始めたが、これは漢詩の方が更に得意であった。
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)
一、 妻にもと幾人いくたり思ふ花見かな 破笠はりつ
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
端無はしなくも幹の中央に貼附はりつけたる一片の紙に注げり。
黒壁 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
又「また殴付はりつけやアがる、これ己が悪いからゆるせと云うに、おれが酔うたのだ、はっと云うはずみじゃア」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
この時は腹が立ちますから殴付はりつけてやりたいと思うが、そこは命を助けられた恩義が有るから、余り無下にしても愛想尽あいそうづかし気の毒と存じまして、おやまは何うしようかともじ/\して居ります。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
... 但し生きているうちに張付はりつけに致したものか、死んでから釘を打ったものかそのへんはちと分りかねます……」「そんな事は分らんでもいいさ」と主人は退屈そうに欠伸あくびをする。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
見る間に出行いでゆく貫一、咄嗟あなや紙門ふすまは鉄壁よりも堅くてられたり。宮はその心に張充はりつめし望を失ひてはたと領伏ひれふしぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
むら百姓文藏と申者に候が是なる妻の里木綿島村もめんじまむらの父が急病ゆゑ見舞みまひまかこし候間何卒御慈悲にて御通し下され候樣願ひ奉つるといひければ彼の侍士は點頭其は不便ふびんの事なり此まゝ引立ひきたてゆくときは御法通りはりつけなれば何卒助けてつかはたくしばし工風のていに見えしが汝等おや孝行のこゝろざしにめで我一了簡れうけん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
三畳の方は茶の間になツてゐて、此處には長火鉢ながひばちゑてあれば、小さなねずみいらずと安物やすもの茶棚ちやだなも並べてある。はしらには種々なお札がベタ/\粘付はりつけてあツた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
仕方を見せて見物を泣かせる目算つもりのあてはずれ、発奮はずみで活歴を遣って退け、手痍てきず少々負うたれば、破傷風にならぬようにと、太鼓大の膏薬こうやくを飯粒にて糊附はりつけしが、歩行あるくたびに腹筋はらすじよれて、びっこき曳き
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)