“のぎく”の漢字の書き方と例文
語句割合
野菊100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
瀧口入道、横笛が墓に來て見れば、墓とは名のみ、小高くりし土饅頭どまんぢゆうの上に一片の卒塔婆を立てしのみ。里人の手向けしにや、なかばれし野菊のぎくの花の仆れあるも哀れなり。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
比叡ひえい根来ねごろ霊山れいざんきはらってしまぬ荒武者あらむしゃのわらじにも、まだここの百合ゆりの花だけはふみにじられず、どこの家も小ぎれいで、まどには鳥籠とりかごかきには野菊のぎく、のぞいてみれば
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
爪紅つまべにのまゝに、一枚いちまいづゝ、きみよ、とむるにや。あにひとりきよふべけんや。袖笠そでがさかつぎもやらず、杖折戸しをりど立出たちいづる。やま野菊のぎくみづて、わたつまさきみだれたり。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)