“土饅頭”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
どまんじゅう83.3%
どまんぢゆう8.3%
つちまんじゆう2.8%
つちまんじゅう2.8%
どまんぢう2.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これが石油を襤褸ぼろまして、火を着けて、下からほうげたところですと、市川君はわざわざくずれた土饅頭どまんじゅうの上まで降りて来た。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
瀧口入道、横笛が墓に來て見れば、墓とは名のみ、小高くりし土饅頭どまんぢゆうの上に一片の卒塔婆を立てしのみ。里人の手向けしにや、なかばれし野菊のぎくの花の仆れあるも哀れなり。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
さて日本人につぽんじんふるはか今日こんにちのように石碑せきひ石塔せきとうてたのではなく、たいてい土饅頭つちまんじゆうのようにたかくなつてゐるので、私共わたしどもはこれを高塚たかつかとか、古墳こふんまをしてをります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
どういう関係か、O村には古風な土葬の習慣が残っていて、葬いがある毎に、西妙寺の広い墓地には、生々しい昔ながらの、土饅頭つちまんじゅうが築かれた。
吸血鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
そして三年ののちに土をせる。土地の所有者は其れを拒む事が出来ない習慣であると云ふ。道理で見渡す限り点点てんてんとして、どのはたにも草におほはれた土饅頭どまんぢうが並んで居る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)