“のきば”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
軒端84.7%
檐端5.4%
簷端3.6%
軒場2.7%
軒塲1.8%
退羽1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「さあ、あたり。さぞ御寒かろ」と云う。軒端のきばを見ると青い煙りが、突き当ってくずれながらに、かすかなあとをまだ板庇いたびさしにからんでいる。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
主人が不取締だと下女が檐端のきばかや引抽ひきぬいて焚付たきつけにする、などと下女がヤリテンボウな事をする小さな事にまで気の届いている、すさまじい聡明そうめいな先生だった。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
しばしありて、今まで木影こかげに隠れたる苫屋のともしび見えたり。近寄りて、「ハンスルが家はここなりや、」とおとなへば、傾きし簷端のきばの小窓きて、白髪の老女おうな、舟をさしのぞきつ。
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
蚊いぶし火鉢に火を取分けて三尺の椽に持出もちいだし、拾ひ集めの杉の葉をかぶせてふうふうと吹立ふきたつれば、ふすふすとけぶりたちのぼりて軒場のきばにのがれる蚊の声すさまじし
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そのうちに一そらからりたかとおもふと、なんといふつばめが一むらりてます。そしてたがひうれしさうなこゑつて、ふる馴染なじみ軒塲のきばたづがほに、おもひ/\にわかれてんできます。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
眞廣まひろげの退羽のきばたゆげに
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)