“ねがえ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
寝返41.2%
寝反17.6%
寐返11.8%
寝転11.8%
寐反5.9%
根返5.9%
臥返5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
むかしんだ小説しょうせつには、やはりそんなすじのものがあったことをおもして、おとうさんは、じっとしてまくらにあたまをつけていられなかったのでした。たびたび、寝返ねがえりをなさったとき
火事 (新字新仮名) / 小川未明(著)
が、いよいよ電燈を消して見ると、何度か寝反ねがえりを繰り返しても、容易に睡気ねむけを催さなかった。
お律と子等と (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
或時の彼は毎夜細いひもで自分の帯と細君の帯とをつないでた。紐の長さを四尺ほどにして、寐返ねがえりが充分出来るように工夫されたこの用意は、細君の抗議なしに幾晩も繰り返された。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
昼寝をしていた高安平四郎たかやすへいしろうは、顔に乗せていた書籍ほんを落して、むくりと寝転ねがえると
夏虫行燈 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ひるのうちしきりに寐反ねがえりを打って、シクシクないていたのが、夜にってから少しウツウツしたと思って、フト眼をさますと、僕の枕元近く奥さまが来ていらっしゃって
忘れ形見 (新字新仮名) / 若松賤子(著)
与吉が身体からだを入れようという家は、すぐ間近まぢかで、一ちょうばかりくと、たもとに一本暴風雨あらし根返ねがえして横様よこざまになったまま、半ば枯れて、半ば青々とした、あわれな銀杏いちょう矮樹わいじゅがある、橋が一個ひとつ
三尺角 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「出るわけはありませんよ、庵室はこの通りたった二た間、鉄童が臥返ねがえりを打ったのも解ります」