“つづら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
葛籠94.5%
2.2%
揺籃1.1%
藤簍1.1%
黒葛1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その時細君が取り出して来たいくつかの葛籠つづらを開けたら、種々反古やら、書き掛けたものやらが、部屋中一杯になるほど出て来た。
北村透谷の短き一生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
この番頭の日に焼けた額や、薬を入れたつづらの荷物をあがはなのところへ卸した様子は、いかに旅の苦痛に耐えて、それに又慣らされているかということを思わせる。嘉助は草鞋わらじひもを解いて上った。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
柿の枝などの年々なつかしい蔭を作るひさしのなかで、織機はたに上って、物静かにかちかちを運んでいる陰気らしい母親の傍に、揺籃つづらに入れられた小さい弟がおしゃぶりをしゃぶって
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
誰にも、手をつけさせなかつた草稿を入れて置く机のわきの藤簍つづらかごを掻廻かきまわしたり、人のところから勝手に詠草えいそうを取り寄せたりして版に彫つた。
上田秋成の晩年 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
黒葛つづらさは さ無しにあはれ。 (歌謠番號二四)