“すなけぶり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
砂煙71.4%
砂烟28.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夜があけると、この砂煙すなけぶり。でも人間、雲霧を払った気持だ。そして、赤合羽の坊主の形もちらつかぬ。
朱日記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しばらくして突立つったって、わってッて追い駆けると、もうわいわいという騒ぎで、砂煙すなけぶりが立ってまさ。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
折から堤防伝つつみづたいにひづめの音、一人砂烟すなけぶりを立てて、ななめに小さく、くうを駆けるかと見る見る近づき、懸茶屋かけぢゃやの彼方から歩をゆるめて、悠然と打って来た。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ヒュウと悲しい音を立てて、空風からかぜが吹いて通る。跡からカラカラに乾いた往来の中央まんなかを、砂烟すなけぶりぼっと力のない渦を巻いて、よじれてひょろひょろと行く。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)